六本木康弘 アクションディレクターのニュージェネレーション!


【プロフィール】
名前 六本木康弘(ろっぽんぎやすひろ)
所属期数 35期
生年月日 8月19日
出身地 東京都
趣味・特技 テコンドー、バスケットボール


【最近の主なアクションディレクター作品】
◆舞台◆
2019年:『宝塚「オーシャンズ11』
2019年:『ハムレット』シアターコクーン
2019年:『OZMAFIA!!』全労災ホール/スペース・ゼロ
2019年:『PERSONA5 the stage』天王洲銀河劇場他
2019年:『アルスラーン戦記』シアター1010他
2019年:『うたの☆プリンスさまっ♪エブリィBuddy!』梅田芸術劇場他
2019年:『エン*ゲキ#04 絶唱サロメ』紀伊国屋ホール他
◆映画◆
2019年:『桃源郷ラビリンス』
2017年:『JK ニンジャガールズ』
◆TV◆
2017年:『ドラマ10 マチ工場のオンナ』
2012年:『クロヒョウ2~龍が如く 阿修羅編~』


【インタビュー】

—–改めて、養成所のオーディションを受験され、JAEメンバーになった経緯を教えていただけますか?

 

六本木:子供の頃から高校生まで、ずっとバスケットボールに夢中でした。いよいよ卒業が近くなってきて、「進学するのか働くのか?」って、真剣に考え始めたタイミングで、友達から「六本木は運動神経が良いから、スタントマンをやってみたら?」と勧められて、JAEの養成部オーディションに申し込みました。
合格してから養成部で1年間の養成期間を過ごしましたけれど、これが今思い出しても地獄の日々だったなーと。(笑)

週4日稽古場に通って、とにかく基礎体力強化と、現代殺陣、時代殺陣、少林寺拳法、マット運動やスタントなどの専門技能の基礎を学びました。
コーチは怖いし、稽古は厳しいし、俗に言うスパルタ式ですよね。
同期が40人位いましたけど、一緒に卒業公演できたのは、半分の人数でしたからね。(笑)
養成部での1年間は、僕の人生の中でも指折りの辛い日々でしたが、おかげさまでプロの俳優としてスタートを切るための基礎とアクションは身に着ける事が出来たので、JAEのメンバーとして所属できました。

 

—–JAEのオーディションに応募した理由がスタントマンで、養成部を卒業してメンバーになった後もアクション俳優として活躍されていましたが、いつごろから、なぜ、アクションディレクターの道に進まれたのでしょうか?(JAEのアクションディレクター:テレビ、映画、舞台等で、出演者が素手での格闘シーンや時代劇などで刀や武器などを使用して戦闘シーンを演じる際に、出演者へのアクション指導、カメラワーク、カット割りも含めたアクションシーンの設計、撮影、編集までを手掛けます。)

六本木:メンバーになった後しばらくは、特撮作品の撮影現場で先輩方のお手伝いや、スーツアクター、そしてアクション俳優として舞台に出演していました。ある程度慣れてくると、撮影や舞台の現場で共演者やスタッフさんと、アクションについて議論するような事も増えていきました。そして偶然の巡り合わせですが、2014年に公演のあった舞台『メサイア―白銀ノ章―』で出演者の方が僕を推薦してくださり、アクションディレクターとして初めて参加する事になりました。

 

—–アクションディレクターとしての取組み姿勢や、アクションを作る際の考え方、心がけている事などありましたらお話しいただけますか?

 

六本木:僕がアクションを作るときの信条は、自分で考えたアイデアを出演者やスタッフに提案して、皆さんの意見やアイデアも取り入れながら、「皆で一緒にアクションを作っていく」事です。これは、アクションディレクターを始めた当初から変わりません。より良いアクションシーンを作るためには、皆さんからアイデアをいただく事も重要なのです。

アクションを作る際には、事前に考える事もしますが、多くは現場で作り込む事が多いのです。
たとえ、お芝居や映像で描かれない事があっても、「どんな場面で、なぜ格闘・戦闘する事になったのか?」という状況設定や、戦う人物設定(体格、性格、特技等)も同時にあります。
それらの設定を認識したうえで、「自分ならどのように動くか、戦うか」をシミレーションし、1手1手の体の動かし方、武器の使い方を組み立てていきます。

 

アクションの動きを考える際には、自分なりに唯一必然性のある動きを選んでいますから、その場で考えても後で忘れる事はありませんし、実際その場で感じる「空気」というのも動きを考える際には重要なので、現場で作り込む事に重きを置いています。

—–アクションディレクターとしてお仕事をされている上で、なにか思い出に残るエピソードなどありましたら、ご紹介いただけますか?

 

六本木:実は昨年、年間で20作品以上の舞台でアクションディレクターを担当させてもらいました。
とてつもなく忙しくて、ありがたい事なんですけど、そのお仕事を通して初めてお仕事をした演出家さんや役者さんも多く、とても刺激的な一年だったんですよ。新しい人との出会いは、最高に興味深く面白かったですね。

 

去年参加した『ハムレット』(主演:岡田将生さん/シアターコクーン)では、演出家さんがイギリス演劇界の第一線で活躍する、サイモン・ゴドウィンさんでした。
普段、まず一緒にお仕事できるような人ではないわけです。海外在住の方ですし。
僕の名前が六本木なので、稽古中はいつもニックネームで「ヒルズ」って呼ばれていました(笑)

サイモンさんの演出手法で興味を惹かれたのが、シーン毎に出演者、スタッフ全員を集め、その場で円を描くように座り、雑談を交えながら出演者それぞれの、その日のコンディションや心理状態を聞きだし、それを演技に反映させるように促し、日々、微妙に異なる演出をしていた点ですね。
そこでなぜか、「ヒルズ、君も一緒にやってみろ!」と言われ、稽古中のシーン作りの1人に参加させられましたけど。(笑)

 

—–将来、アクションディレクターを目指しているメンバーに対して、経験者からのアドバイスなどいただけますか?

 

六本木:まずは先輩が、何を考え、どのように行動し、演出家や監督と、どんなコミュニケーションをしているのか?よく観察する事ですね。そして、自分だったらどう動くか、指導するか、話すかを同時進行で頭の中でシュミレーションする事。
これが、仕事を覚えるスタートラインだと思います。

 

次に、お芝居の前後の流れ、全体のバランスを見ながら、アクションシーンで何を表現すべきか考える事です。プレイヤーは、その場面、そのアクションシーンにのみ全力をぶつけて、監督や演出家の思いを表現すれば良いのですが、やはりアクションディレクターとしては、そこだけではなく、全体を見ている必要があるのです。

僕は29歳で初めてアクションディレクターを経験しましたけど、出演者や後輩俳優達を限界まで追い込んで、限界を超えたところで素晴らしい演技を引き出せた瞬間が快感で、仕事が楽しくてたまらないですよ。
プレイヤーもいいですけど、アクションディレクターも是非おススメのお仕事ですよ!

 

—–今後の野望、目標など教えてください。

 

六本木:多くのお客様や業界関係者の方から、僕が普段どのようにアクション指導をしているのか知りたいとか、実際に仕事をしている様子を見てみたい等の要望をいただいています。ですので、それらを皆さんにご披露し、今まで以上に僕のファンとして応援していただけるような、交流の場を作ってみたいですね。

 

今一番思い入れ強く取り組んでいるのが、後輩役者の育成です。僕の担当作品で、多くの後輩たちが出演していますので、その現場を通して徹底的に鍛えています。1日も早く、一人前の役者として育って欲しいですね。
後輩の皆さん、僕は現場で優しく皆さんを見守り指導しているように見えるかもしれないですけど、心の中はメラメラと燃えています!

ぜひ、一緒に業界を盛り上げていきましょう!

ありがとうございました!


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